2009/10/22
曽野綾子「貧困の僻地」を読んで
こんばんは。月岡です。どうもなかなか書けなくてすみません。
娘は本日伊豆旅行から帰ってきました。私が仕事から帰宅したときにはもう寝ていましたので、本人の感想は聞けませんでしたが、デジカメの中の写真ではとても楽しそうでした。今は楽しい夢を見ているはずです。
さて、この前、曽野綾子氏の「貧困の僻地」という本を読みました。これは「新潮45」に掲載された氏のエッセイをまとめたものです。氏は保守的な発言が多い人で有名ですが、その本を読むと小説家らしい特殊な捕らえ方で人間を捉えていることと、徹底したリアリストであることがよくわかります。
氏は日本財団の会長として、寄付した資金の使途を確認するために世界中の僻地に飛ぶ中で、多くの貧困を見ています。そうした現実を見た後では、我々が口する不平、不満、要求が、自己中心的もしくは無いものねだりだと思えるのです。確かに我々が日本の社会や制度について感じる不平等さや、日常的な些細な怒りなどは、世界中に歴然と存在する不幸に比べたらまったく取るに足らないことであることは間違いありません(その不幸に直面している人々は往々にしてあきらめているか、その境遇の中で得られることに一定の満足を見出しているようです)。絶望的な状況の中で、一日一日をどう生き延びていくのか、という生死の問題に直面している人間は世界中にたくさん居ます。そうしたことは観念的には理解しているつもりでも、具体性を持って自分の感覚で理解することはなかなかできません。我々はどうしても目の前の小さな世界の中で、怒ったり、泣いたり、心を捕われてしまいがちです。そういうときに、私たち途方にくれている目の前の問題は、実はたいしたことない、それほど重要なことでないということに改めて気づかせてくれるような本です。
私たちは目の前の世界を見ながら、一方で客観的に大きな視野で世界を見ていくという姿勢を持つ必要があるように思えます。自分の価値観、世界観に凝り固まって、視野狭窄に陥り、身動きがとれず窮屈そうに思える人もたくさんいます。氏の著作を読んでまったく別の視点があることも知っていて良いと思いました。
最後にこの本からの抜粋です。氏のリアリストぶりがよく出ていると思います。いじめに関する文章です。
「いずれにせよ、何歳になっても人生は戦いの面を残す。子供たちにはその自覚が要る。戦う対象は、人間だけではない。他国、組織、病気、天災、家族関係、自分の内心の不安や絶望。どんな場にも戦いの要素がついて廻る。世界は皆いい子でもなければ、人は皆平等でもないのだ。そんなでたらめを教え続けた教師と学校を、今こそ親は個別に丁寧に温かく訂正していけばいい。しかし常に心のやさしい人もいるし、お菓子を分けてくれる子もいるのだということを忘れてはいけない。」この後日教組への批判が続きます。
娘は本日伊豆旅行から帰ってきました。私が仕事から帰宅したときにはもう寝ていましたので、本人の感想は聞けませんでしたが、デジカメの中の写真ではとても楽しそうでした。今は楽しい夢を見ているはずです。
さて、この前、曽野綾子氏の「貧困の僻地」という本を読みました。これは「新潮45」に掲載された氏のエッセイをまとめたものです。氏は保守的な発言が多い人で有名ですが、その本を読むと小説家らしい特殊な捕らえ方で人間を捉えていることと、徹底したリアリストであることがよくわかります。
氏は日本財団の会長として、寄付した資金の使途を確認するために世界中の僻地に飛ぶ中で、多くの貧困を見ています。そうした現実を見た後では、我々が口する不平、不満、要求が、自己中心的もしくは無いものねだりだと思えるのです。確かに我々が日本の社会や制度について感じる不平等さや、日常的な些細な怒りなどは、世界中に歴然と存在する不幸に比べたらまったく取るに足らないことであることは間違いありません(その不幸に直面している人々は往々にしてあきらめているか、その境遇の中で得られることに一定の満足を見出しているようです)。絶望的な状況の中で、一日一日をどう生き延びていくのか、という生死の問題に直面している人間は世界中にたくさん居ます。そうしたことは観念的には理解しているつもりでも、具体性を持って自分の感覚で理解することはなかなかできません。我々はどうしても目の前の小さな世界の中で、怒ったり、泣いたり、心を捕われてしまいがちです。そういうときに、私たち途方にくれている目の前の問題は、実はたいしたことない、それほど重要なことでないということに改めて気づかせてくれるような本です。
私たちは目の前の世界を見ながら、一方で客観的に大きな視野で世界を見ていくという姿勢を持つ必要があるように思えます。自分の価値観、世界観に凝り固まって、視野狭窄に陥り、身動きがとれず窮屈そうに思える人もたくさんいます。氏の著作を読んでまったく別の視点があることも知っていて良いと思いました。
最後にこの本からの抜粋です。氏のリアリストぶりがよく出ていると思います。いじめに関する文章です。
「いずれにせよ、何歳になっても人生は戦いの面を残す。子供たちにはその自覚が要る。戦う対象は、人間だけではない。他国、組織、病気、天災、家族関係、自分の内心の不安や絶望。どんな場にも戦いの要素がついて廻る。世界は皆いい子でもなければ、人は皆平等でもないのだ。そんなでたらめを教え続けた教師と学校を、今こそ親は個別に丁寧に温かく訂正していけばいい。しかし常に心のやさしい人もいるし、お菓子を分けてくれる子もいるのだということを忘れてはいけない。」この後日教組への批判が続きます。















