2010/03/03

★節税の鬼?

昨日、経営者向けの情報誌の取材がありました。
美人のフリーのライターさんが同行されて取材と撮影をしていただきました。
(別に美人のライターさんの話はどうでもいいんですけどね(笑))

会計事務所向けの雑誌の取材は慣れていますが、経営者向けということで今回はテーマがありました。
そのテーマというのが...「節税対策の鬼特集」という...うちにはあまりそぐわないテーマです(笑)

税理士さんの中には「税理士の使命は節税」と思っている人も多いようですし、経営者も「税理士の仕事は節税だろ」と思っている方が多いのかもしれません。
でも、うちの事務所は「お客様のビジョン実現と真の豊かの創出をサポートする」というミッションに沿って経営のサポートをするのが本業なので、単に「節税重視」という発想は元々ありません。

「節税の鬼」の代表として、東京2事務所、千葉と神奈川1事務所の合計4事務所を紹介するのだそうですが...
この取材は、ちょっと事務所の選択を間違ったんじゃないかな~~(爆)

●節税には三つの段階がある

まず、当然、無駄な税金は支払う必要はありません。
例えば、回収不能の売掛金や貸付金、未収入金等の債権の貸倒れの要件整備をすることや、デッドストックの廃棄や評価替えによる節税です。
これらは、自社の財務諸表を整理してあるべき姿に正すことによる節税ですから、節税というよりは自社の正しい現状を把握するという意味でも大切なことだと思います。

次が、一般的に言われる節税です。
損金に落せる保険やオペレーティングリース等々の商品を使った課税の繰り延べです。
節税をすれば、しなかった場合に比べてキャッシュアウトは大きくなり資金繰りは悪化します。また、税引後の利益が自己資本を厚くするという視点から見ると、節税は社内留保を少なくして、会社の財務体質を悪化させます。
節税は目的ではなく手段です、なぜ課税の繰り延べが必要なのか?その目的を明確にすべきです。

最後は、広義の節税です。
つまり、利益を、人材の採用や育成、必要な資産の購入、会社の拡大のための経費等々に投入する先行投資的な意味合いを持った節税です。これには、会社の将来のあるべき姿を明確にした経営方針や経営計画を基盤にする必要があります。

つまり、最後の先行投資的な節税は経営そのものであり、最初の正しい節税は経営の基盤でもありますが、一般的なキャッシュアウトを伴う節税は一考の必要があるということです。

●節税は経営方針の現れ

単純にキャッシュアウトを伴う節税が悪いとは思いません。

ただ、私ども事務所のお客様で、設立第10期で店頭公開し、第14期で一部上場した会社からは、設立以来一度も「節税したい」と言われたことがありません。
利益を出し税金を支払った残りが自己資本として社内に留保され、会社の足腰を強くするという単純な理屈が分かっていれば、税金を払えば払うほど良い会社になるという原理原則が理解できるハズです。
自社を社会の公器として世の中に送り出し、自身の経営ビジョンを世に問いたいと思うのであれば「脱税は悪であるが、節税も悪である(JALの経営責任者になった稲盛氏の言葉)」という言葉は重みを持ってきます。

逆に、家族経営で他人を雇用するつもりもなく、会社を大きくするつもりも立派な会社にするつもりもないのであれば、出来る限り節税して資金を個人財産として蓄財する方法を採れば良いのです。
会社の財務状況が悪く金融機関からの借入が出来なければ、個人資産の範囲内だけで経営をする覚悟をすれば良いだけですから。

つまり大切なのは、社長が「どうしたいか」であって、「どうしなければならない」ということはありません。

一番問題なのは、「人を雇って、立派な会社にしたい」と思いながら、財務体質を悪化させ会社の未来を狭める「節税」を無意識に繰り返すことなのです。
「思っていること」と「やっていること」が食い違うことが経営にとっての「悪」なのです。

多くの社長が...決まりきった経営の大原則であるのに理解できないこと...それが「節税」です。

ちなみに、私ども事務所の経営計画書の財務方針には「キャッシュアウトを伴う節税は一切しない」と明記されています。 それは、会計事務所だから云々は一切関係なく、我が社を100年続く企業に育てることを前提にしているからです。

このことが理解できなければ、御社に説明に参上しますよ(笑)

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なるほど納得
経営者インタビュー

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