税理士探しのヒント

国際税務に強い税理士特集

特集「国際税務の必要性」

「国際税務とは?」

日本の少子化により、国内消費需要が縮小する中で、アジア各国への日本企業進出の記事が、毎日のように新聞を賑わせています。中小企業においても、海外に支店や現地法人をつくり、積極的な国際化を図る企業が増えています。
「国際税務」という言葉をはっきりと定義したものは税法上ありませんが、居住者と非居住者の区分や課税所得の範囲、源泉地についての判断などが関わるため、海外取引に特有の税務への理解が必要とされます。国ごとの租税条約が絡んでくることも留意しておかなければなりません。海外と国内とで二重に課税される税務処理に関しても、どの国とどのように事業を広げていくかによって変わってきます。
平成二一年度の税制改正では、間接外国税額控除制度に代えて、外国子会社からの配当について親会社の益金を不算入とする制度が導入されることとなりました。海外子会社利益の内部留保が急増し、研究開発や雇用が国外へ出て行ってしまうという問題を避けるために、海外子会社で生じた所得については海外の課税に委ねるというものです。
今後ますます経済のグローバル化が進む中で、国際税務の知識は非常に重要です。実際、課税制度の複雑さから、海外子会社との取引において、予期せず多額の追徴課税をされてしまう企業の問題も起きています。まずは、海外との取引において、どのような税制と取り決めが絡んでくるのかを知っておきましょう。

国際税務の基礎知識

「居住者」と「非居住者」

課税国の区分について考える時、「居住者」と「非居住者」についての考え方を知っておく必要があります。通常個人においては、その国に住所または一定の居所を有するひとを「居住者」と言います。法人の場合には、その国に本店を有する法人を居住者と言います。ただ、管理支配主義を採用している国に関しては、本店がない場合であっても、事業の管理および支配の場所をその国に置いている場合、その国の居住者として扱います。
「居住者」は、居住国内に源泉のある所得だけでなく、国外源泉の所得に対してもその国において課税されます。一方、「非居住者」は、非居住国において、その非居住国内において課税される所得に対して、その非居住国において課税されます。

恒久的施設

(Permanent Establishment、以下PE)
非居住者や外国法人は、日本国内にPEを有しているかで変わってきます。国内法におけるPEは大きく三つに区分されます。

(一) 支店、出張所、その他の事業所若しくは事務所、工場又は倉庫業者の倉庫、鉱山・採石場等天然資源を採取する場所、その他事業を行う一定の場所。ただし、資産を購入・保管の用途のみに使用する場所、広告・宣伝・情報の提供・市場調査・基礎的研究その他事業の遂行にとって補助的な機能を有する、事業上の活動を行うためのみに使用する一定の場所等は含まれません。
(ニ) 建設、据付け、組立て等の作業又はその作業の指揮監督の役務提供で、一年を超えて行う場所。
(三) 常習代理人(非居住者・外国法人のためにその事業に関し契約を締結する権限を有し、かつ、これを常習的に行使する者)、在庫保有引渡代理人(非居住者・外国法人のために顧客の通常の要求に応ずる程度の数量の資産を保管し、かつ、当該資産を顧客の要求に応じて引き渡す者)、注文取得代理人(もっぱら又は主として一の非居住者・外国法人のために常習的に、その事業に関し契約を締結するための注文の取得、協議その他の行為のうち重要な部分をする者)(その事業に係る業務を、その外国法人・非居住者に対して独立して行い、かつ、通常の方法により行う者を除く。
(法人税法141条、法人税法施行令185条・186条、所得税法164条、所得税法施行令289条・290条)。

国際税務のツボ

祖税条約とは

租税条約とは、国と国との税金に関する取り決めです。日本はアメリカ・イギリス・中国をはじめ、現在56の国(09年4月現在)と条約を結んでいます。 租税条約には、二重課税を防止する役割があり、ある所得について居住国、源泉地国のどちらに課税権があるかということを判断します。ただ、資金を出した国の課税権を守る事が重要視されている条約であるため、条約が両者にとって平等なものであるとは言えません。一般的に先進国から発展途上国へと資金が流れていくので、租税条約は先進国の課税権を大幅に認め、発展途上国(源泉地国)の課税権を制限したものであるとも言えます。ただ源泉地国も、家賃や現地人が得られる給料、消費財等の利益からは税金を取ることができるので、資金による潤いがあり、双方にメリットがあるのが租税条約なのです。 またアメリカのように、州ごとに大きく税制が異なる場合もありますので、税理士と税負担のシュミレーションをすることが、経営計画を立てる上で重要となります。
移転価格税制

外国税額控除制度

日本に本店を置く日本企業が海外で稼いだ所得に関しては、源泉地国課税の対象となります。ここで発生する二重課税の調整は、外国税額控除によります。海外に子会社がある場合は、原則的に子会社の所得は日本で課税対象とはなりません。例外的にタックスヘイブン対策税制の対象となる所得については、日本で課税されます。また外国支店の所得は日本企業の所得に含まれますが、事業税は国外所得免税が適用されるケースがあるため注意が必要です。外国法人が日本での事業を行う場合も、子会社として営業する場合は全世界所得課税が適用されます。

過少資本税制

外資系法人(子会社や支店)が、本国の親会社から資金調達を行うに当たっては、資金の貸付を受けてこれを借入金の形とするのが税制上有利ですから、外資系法人は資本を少なくし、借入金を多くしようとする傾向があります。過少資本税制では、借手の負債、資本比率を尺度として、この比率を上回る借入金に係る利子の損金算入を認めないように規制しています。

タックスヘイブン税制

タックスヘイブン(tax haven、租税回避地)は、外国資本や外貨獲得の為に、意図的に税率を低く設定している国や地域を指します。マネーロンダリングの温床として使われていると言われ、所得隠しを規制し、脱税行為を防ぐために、タックスヘイブン税制が設けられています。

移転価格税制と21年税制改正

移転価格税制とは、日本の法人が、資本関係があったり実質的な支配被支配関係にある外国企業との取引価格を操作することにより、自分の所得を意図的に減らす行為を防止するために設けられた制度です。この制度は、世界各国で租税債務の歪みを是正することを目的としており、それが租税回避行為であるかを問わず適用されます。つまり、外国の特殊関係企業に対し、低額の売上げをあげたり、高額の仕入れをした場合には、正常な価格との差額に対し課税されます。

平成21年度 税制改正の影響
国際会計基準への移行